申請だけで取れる「毒物劇物取扱者」を、あえて試験を受けて取得した3つの理由と勉強法【高専卒】
皆さん、こんにちは。Kosen Assetのbadoです。
今回は高専化学科卒のbadoが、毒物劇物取扱者試験を合格したので、そのことについてお話ししようと思います。
高専の化学系学科卒の人なら、卒業証明書などを出して申請すれば毒劇物の資格ってもらえますよね?
わざわざ受験料と時間をかけて試験を受けるなんて、無駄じゃないですか?

その通りです。正直ただ資格が欲しいだけならその方法一択です。
ただ、私はあえて「独学で資格を受けて取得する」という道を選びました。
なぜなら、私が欲しかったのは「資格証(ただの紙)」ではなく、「現場で使える知識」と、その先にある「危険物甲種への土台」だったからです。

今回は、現役の製薬メーカーQC(品質管理)として働く私が、あえて「毒物劇物取扱者」を受験した3つの理由、実際に行った勉強法、化学に自信のある人でも油断してはいけない「最大の落とし穴」の3点についてお話します。
そもそも「毒劇物」とはどんな資格?
まずは簡単に、この資格についておさらいしておきましょう。
毒物劇物取扱責任者は、毒物や劇物の製造・販売・輸入などを行う事業所で、保健衛生上の危害を防止するために設置が義務付けられている国家資格です。
資格の区分
大きく分けて以下の3つがありますが、私は全ての品目を扱える「一般」を取得しました。
- 一般(今回取得したもの):全ての毒物・劇物が対象。
- 農業用品目:農業用のみ。
- 特定品目:特定の品目のみ。
資格要件
特定の要件を満たす方は、試験を受けずに申請のみで「毒物劇物取扱責任者」となる資格を得ることができます。
薬剤師の資格を有する者。または、応用化学に関する学科を修了した者。(例:高専・大学の応用化学科、物質工学科、化学工学科など)
厚生労働省令で定める者(例:医師、歯科医師、獣医師)
冒頭でも述べましたが、私は高専の応用化学に関する学科を卒業しています。
つまり、本来は試験を受験する必要などないのです。
ではなぜ、私はあえて受験という「遠回り」を選んだのか?
そこには明確な理由があります。
あえて受験した3つの理由
私が試験を受けた理由は、単なる「資格マニア」だからではありません。
「時間と労力を投資する価値がある」と判断した3つの理由があります。
理由1:仕事における知識不足解消
仕事で試薬管理の業務を受け持ってから痛感したのは、「試薬に対する知識不足」でした。
学生時代は先生が管理してくれましたが、会社では自分が管理・廃棄を行わなければなりません。
法律(毒劇法)を体系的に学ぶことで、
- 「なぜこの試薬は鍵付きの保管庫なのか?」
- 「廃棄する際に中和処理が必要な根拠は?」
といった疑問が解消され、自信を持って業務に当たれるようになりました。
特に、SDS(安全データシート)を読む時の「解像度」が格段に上がったのが最大の収穫です。
理由2:危険物甲種への「助走」
私の化学系資格の「本命」は、危険物取扱者(甲種)の取得です。
毒劇物の試験範囲(基礎化学、性状、法規)は、危険物の試験範囲と重なる部分が多くあります。
いきなり難関の甲種に挑む前に、まずは毒劇物で「化学系資格の勉強の勘」を取り戻し、基礎体力をつけるためのステップとして最適だと判断しました。
理由3:会社負担による「ローリスク投資」
これは少しズルい理由ですが(笑)。
私の会社では、業務に関係する資格であれば「受験料」は会社が負担してくれます(初回のみ)。
- コスト:教材費のみ(数千円)+勉強時間
- リターン:一生使える知識 + 会社での評価 + 合格実績
資産形成の観点から見ても、これほどローリスク・ハイリターンな自己投資はありません。
【勉強法】定番教材と「ノート術」
実際に私が行った勉強法を共有します。試験難易度はそんなに高くないので、身構える必要はありません。
【基本データ】
- 勉強期間:約1ヶ月
- 勉強時間:平日1時間、休日2時間程度(トータル30〜40時間)
- 前提知識:高専応用化学科卒(ブランクあり)
使用教材
私は以下の2冊を使用しました。定番中の定番です。
1. 『第3版 毒物劇物取扱者 合格教本』
第3版 毒物劇物取扱者 合格教本 | 竹尾 文彦, 花輪 俊宏 |本 | 通販 | Amazon
解説が丁寧で、辞書的に使えます。
2. 『毒物劇物取扱者 オリジナル問題集 改訂新版』
毒物劇物取扱者 オリジナル問題集 改訂新版 | 竹尾 文彦, 花輪 俊宏 |本 | 通販 | Amazon
各都道府県の過去問から良問が厳選されています。
具体的なプロセス
① 教本通読&暗記ノート作成
まずは教本を一周読みます。その後2週目を読みながら重要だと感じた語句を「オレンジペン」でノートに書き出し、赤シートで隠して覚えるスタイルを徹底しました。 (私の学生時代からの鉄板手法です)
特に「毒物の性状(色、臭い、廃棄法)」は暗記勝負なので、手を動かして書くのが一番です。

私はこのような形で暗記ノートを作成しています。
全範囲を暗記ノートで作り終えた後、最低10周は取り組み、答えられなかった内容は3回書き出すという方法で頭に叩き込んでいます。

② 問題集を3周する
知識が定着したら、ひたすら問題を解きます。3周もすれば、問題のパターンが見えてきます。
【アドバイス】効率重視なら「ノートは買う」のもアリ
私は「書かないと覚えられない派」なので自作ノートを作りましたが、正直、作成にはかなりの時間がかかりました。
もし今の私が、時間のない中で最短合格を目指すなら、「有料noteなどで、優秀な人がまとめた完成済みノートを買う」という選択をすると思います。
数百円〜千円程度で数十時間の「まとめ作業」をショートカットできるなら、安い投資です。
【失敗談】最大の落とし穴「都道府県ごとの違い」
順調に進んでいた私の受験勉強ですが、試験前日に大パニックに陥りました。
これが、この記事で皆さんに一番伝えたい「落とし穴」です。
事件発生:前日に過去問を見て愕然
試験の前日。「仕上げに、自分が受ける県の去年の過去問でも見ておくか」と軽い気持ちでファイルを開きました。
「……え? 何これ、見たことない形式の問題ばっかりなんだけど」
事実:毒劇物試験は「地域」によって全然違う!
実は、毒物劇物取扱者の試験は、都道府県(または広域連合)ごとに問題作成者が異なります。
そのため、出題傾向、難易度、問題形式が地域によって全く違うのです。
私が使っていた『オリジナル問題集』は全国の良問を集めたものでしたが、私が受験する地域の「独特なクセ」まではカバーできていませんでした。
教訓:1週間前には「現地」の過去問を解け!
私は前日の夜と当日の朝、必死でその地域の過去数年分の問題を解きまくり、なんとか傾向を掴んで事なきを得ました。もし当日ぶっつけ本番だったら……と思うとゾッとします。
【これから受ける人へ】
まず最初に「自分が受験する自治体のホームページ」から過去問をダウンロードしておいてください。そして、最低でも試験1週間前にはそれを解いてください。これだけは約束です。
まとめ
高専卒の私にとって「毒物劇物取扱者」は、申請だけで取れる資格かもしれません。
しかし、あえて勉強して受験することで、「現場で使える生きた知識」と「次のステップへの自信」を手に入れることができました。
資格は集めることがゴールではなく、実務や次の目標のための「ツール」です。
この試験で得た基礎体力を武器に、次は化学系資格の本丸、「危険物甲種」へ挑みたいと思います!
これから受験される方、特に「都道府県ごとの過去問チェック」だけは忘れないでくださいね。応援しています!
